交通事故に基づく損害賠償請求を行う際、被害者の過失について過失相殺がされるか否かは、重要な争点の一つです。
そして、裁判実務上、厳密に被害者自身ではない人の過失についても、被害者「側」の過失として、過失相殺の対象とされることがあります。
具体的には、判例上、「被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者」の過失については、被害者「側」の過失として考慮される旨判示されています。
例えば、以下の様な事例で被害者側の過失が認められています。
①夫が運転する車に同乗中の妻について、夫の過失を被害者側の過失として考慮したケース(最判昭和51年3月25日民集30巻2号160頁)
②内縁の夫が運転する車に同乗中の女性について、内縁の夫の過失を被害者側の過失として考慮するとしたケース(最判平成19年4月24日裁判集民224号261頁)
「身分上ないしは生活関係上一体とみられるような関係にある者」の判断は、難しい問題です。
まずは弁護士にご相談をいただくことをお勧めします。
弁護士 田 保 雄 三