子どもの責任は親が負う?

交通事故の中には、自転車が加害者となって死亡や後遺障害などの重大な事故を引き起こすケースもあり、高額の損害賠償が認められるケースも多くあるということは、以前のコラムでも解説がありました。

ところで、自転車と言えば大人だけではなく、子どもが乗ることも多い乗り物です。

子どもが乗る自転車が、死亡事故をはじめとする重大な事故を引き起こすケースもあります。そのような場合、被害者側としては、誰に請求すればよいのでしょうか。

この点、自転車事故に関する高額賠償を認めた著名な裁判例(神戸地判平成25年7月4日)では、親の監督責任が認められています。

この事例では、小学生の運転する自転車が、歩行中の被害者と正面衝突した事故について、裁判所は、小学生が前方を注視して交通安全を図るべき基本的注意義務を怠り、衝突直前まで被害者に気付かなかったという過失を認定した上で、小学生の親である被告が、息子に対して自転車の運転に関する十分な注意や指導をしていたとはいえないとして、監督者責任(民法714条1項)に基づいて親に9000万以上もの賠償責任を認めました

このように、たとえ加害者が子どもであっても、親の監督者責任が認められる余地はあり、親を相手として請求できる可能性があります。誰を相手として、法律構成をどのように組み立てるかは、一般の方ではなかなか判断がつきかねる問題でもありますので、あきらめる前にまずは弁護士にご相談されることをおすすめします。

弁護士 田 保 雄 三

 

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