ひき逃げ事故に遭ったら?

 交通事故に遭われた場合、加害者が事故現場から逃走してしまい「ひき逃げ」 される場合があります(厳密には「ひき逃げ」とは法律上の用語ではなく、道路交通法上に規定された事故加害者の救護義務や警察への報告義務などを怠り現場から離れることを言います)。

 統計上、ひき逃げ事故は人身事故全体のうち、2%に満たない割合ですが、ひき逃げ犯の検挙率は50%程度にとどまっており、約半数の加害者が捕まっていません(平成26年度版犯罪白書)。

 今回のコラムでは、万が一ひき逃げ事故に遭われた場合に、被害者の方々の有益な情報をご紹介します。

 まず、ひき逃げ事故に遭った場合、被害者の方は、

・すぐに警察に連絡し事故状況を報告する

・相手の車のナンバー、車種、特徴をしっかりと確認する(ナンバーがわかれば、車の所有者を特定できる可能性が高まります)

・防犯カメラに写っている映像や目撃者を探す

・救急車を呼ぶなどして病院に行き治療を受ける

ことが重要です。事故直後は近隣に加害者の車がいることも多く、素早い対応が犯人の早期発見の決め手となることもあります。

 ひき逃げ事故の被害者がお亡くなりになられた場合、ご遺族の方は加害者が見つからないのではないかを不安に感じられると思われます。

 しかしながら、実は、先ほどご紹介したひき逃げ事犯の検挙率は、被害が重大であるほど高くなり、統計によると、ひき逃げの死亡事故の場合には犯人の検挙率は90%を超えています。 

 万が一、ひき逃げ事故の加害者が見つからない場合であっても、被害者やご家族の方が加入されている自動車保険の人身傷害保険特約や「政府保障事業制度」を利用して、補償を受けられる場合があります(この点は次回以降のコラムでご紹介します)。

 また、ひき逃げ事故の場合、慰謝料の増額事由ともなりますので(ひき逃げの死亡事案について参照)、当サイトまでご気軽にご相談ください。

弁護士 藏田貴之

 

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